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ご指名は?1.5

第5章 ※これは、一応ホストの話である(?)




「し..知りたい...です..っ!」

私は真面目にお客様を見返した。

気になるけど、考えないようにしていたら、ーー忘れていた事だった。彼女、彼女だったらーー、真実を知って私まで伝えてくれるかもしれない。

「約束ですよっ♪と、いっても。」

と、ここで、お客様は、くるっと回ってお辞儀をした。月が、私たち2人のシルエットを黒くする。私1人だけ驚き、その汗までシルエットで見えそう。お客様なのに、彼女の方が私の従者みたいに、お辞儀は丁寧だった。

「まだまだ調査中なんですけどねー。だから、あなた様とくくさんの愛の愛のお話と引き換えに、私が調べた事をお伝えさせてください!」

「おっ..お願いします!」

と、思わず彼女の手を握ってしまった。

「っ!」

「あっスミマセッ..お客様?」

と、お客様?の部分だけ精一杯にカッコつけて前髪をかきあげてみたら、一瞬、ポカンとお客様はして、

「はいっ♪」

と満面の笑みで笑い、そして次の瞬間には、姿をくらませていた。

「ーーーーえ?」

次の一瞬、屋根の上をトンテンカンテン走ってゆく、そんな人影が見えたような気がしてーーー

「えっ???」

夜風がびゅうっとなる。

耳が千切れそうになる。
















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆





はぁっ....。



埃まみれ。酒まみれ。唾液まみれ。体液だらけ。

床は、茶色い木の板だ。

それを認識した途端、ゾッと寒気がした。鳥肌が全身中に散りばめられる。

『おい』

悪魔が笑う。

ーーー自分はこいつの気配にはとてもめざとく、鋭い。だから寒気が立ったのだ、と冷静に分析している間もなく、前髪をグッと引き上げられる。

頭皮が焼けるように痛いはずなのに、もう、何も感じない。埃まみれの空気の中で、その黒い影はささやく。

『買ってこいや、酒。』

垣間見える歯は刃のようにとがっていて、まさか噛みちぎられる訳もないのに、その歯に恐怖してしまう自分は何故なのか。口から白い瘴気のようなものが吐き出される。

『っ...。』

上手く、返事を返せなかった。

無言で、フラリと立ち上がり、ドッと流れる冷や汗を感じながら前へ、前へと進む。

生きろ。

生きろ。

正気などなってはいけない。じゃなきゃ、自分は、壊レーーーーーーーーーーーーーーーー
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