第5章 ※これは、一応ホストの話である(?)
「その、あのぅ...」
と、隼人さんに、もうこんなに追い込まれたのであの記事のこと言ってしまおうかと、思った。でも、なんとなく、スウさんの方を向く。
「ちょ、ちょっと!いいですかっ..?スウさん..」
と、縋り付くように、スウさんのお美しいお手手指指を握ってしまった。私は瞬時にハッとなりまたボゴッ!!!!と顔に血が充満されて、その手で自分の頬をペゃちぃんッ!と叩く。ーーー前に、
「どういうこと..?山田..」
隼人さんがグッと私の手を止めてくれた。
..あ、ありがたいけど、ちょっとグッて、強めだ..。痛くはないけど。いや連続お連続でししししししシシ死心臓トゥキ⤴︎メキ⤴︎恥ずか死んんんんんんんんんん
「あっ、ごめんね鈴ちゃんっ..!スウ関連の相談事だったら俺は別にっ..」
とススス..と私から距離を置く隼人さんにはっとして、すごく申し訳無くなった..。
だけど、スウさんにはもう、
ーーーくくさんと、あアアレがあったお夜の事をただ1人お話せた(?)人で、だからなんとなく相談するなら最初はスウさんかな、て瞬時に思ってしまった。
不思議なことに、菜太朗とはいえば窓の外を見てツンとすましていた。..いや、いつもそうなんだけど、いつもツンとしてる時もっと毒気があるような..?
ーーーーーって、悪魔野郎の事は、ど、う、で、も!良くって!!
「ごめんなさい隼人さん、あのっ..それで、スウざぁんーーー」
と盛大に濁点をかましたところで、何やらガヤガヤ、と外から複数人の声がした。
「らっしゃっせぇーーーーい!????」
「鈴ちゃんっ..!?」
はははっ!と3回分のはっ!を一回で済ませた私の心は動揺模様。
ヒエーーーーーーーーー!!?ひ、ヒェーーーーーーーーー
と、私の心はひいんひいん永遠に泣いていた。う、ウワァ!!うわわわわわわー!!ってはわわわ並に焦っていた。「すみまへんっっ!!」バカ!私!
あれから、結局スウさんに相談する間もなくホストは始まってしまった!今日も今日とて男装受け付けホスト。オゥ、オワタ!私の人生!
こく一刻と社会的な死へのカウントダウンを身にしめて感じつつ、今夜はお客さん側に回った華夜さんを見つけ、笑いかける。
"ごめんなさいね〜ワタシ男装はどうしてもできないの!"