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ご指名は?1.5

第4章 大魔お..法使いナタリン☆



「...あっ..」

千切れた鎖。その外側にいる美女は、そっ...とこちらを振り返った。くくさんの長髪がヒラッと翻り、こちらをのぞく。

なんだろう、このちょっとおされな空間は..と思いつつ「見つけーー」

「鈴ちゃんっ!!?ホントに鈴ちゃんなのっ..!?」

まるでオバケーーー(まあさっきまでおおオバケってたから冗談にならなのだけれ..)を見たかのように、その場で叫ぶ華夜さん。相変わらず綺麗なひとーーだったが、目の下が青く、瞳孔は開いていた。

「はい、そうです鈴ちゃんでーー」

と安心させようとカッコつけてしまったが、気付く。後ろにいた菜太郎がため息をつき、隼人さんが少しおろおろとしていた。

「 あっ...!!! 」

1人で立ち去って、こんなに綺麗で綺麗で仕方ない美女を、置いていってしまった事。心配をかけさせてしまった事。抱き締めてくれて、艶やかできれいな肌から血を流させて、傷付けてしまった事。何よりーーー


"きゃーっ!よろしく鈴ちゃんっ!"

"は、はい..っ!よろしくお願いします!!"

肝試しでたまたまペアになった華夜さんがギューってしてくれた手を、汚れるとかよく考えもせずに握り返してーー..理科子ちゃんと同じように、ともだちに、なってくれそうだったのにーーー...私は。

「ごっ..ごめんなさいっ...ワタシっ、私ーーーー」

みるみるうちに華夜さんの表情が緩んでいきーーと、その前に華夜さんはきゅっと、私を抱きしめた。

「っひゃっ..!!「無事で...っ無事でよかった....!!!」

強くも弱くもない抱きしめられ方に、その微妙な距離感に、こんな時でさえドギマギしてしまった。少しして離される。

そして、華夜さんの、眉毛が少し下がってしまった泣き顔..泣いてるーーー??な、なんで、私たち会ったばかりでと、その何か遠慮がちに笑う顔はとても美しく、とても哀しくなった。

「わたしっ..わたし」

なんて謝ればいいか、なんてっ..って喉で空で言った。華夜さんの涙の雫があるまつ毛からの視線が、耐えられない。ーーとその時、

ぱつんっ。!

「なっ..!」

「もぉ~~~!!!心配したんだからね!!..葉太郎くんも!!攫われたかと、思った...」


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