第4章 大魔お..法使いナタリン☆
「...あっ..」
千切れた鎖。その外側にいる美女は、そっ...とこちらを振り返った。くくさんの長髪がヒラッと翻り、こちらをのぞく。
なんだろう、このちょっとおされな空間は..と思いつつ「見つけーー」
「鈴ちゃんっ!!?ホントに鈴ちゃんなのっ..!?」
まるでオバケーーー(まあさっきまでおおオバケってたから冗談にならなのだけれ..)を見たかのように、その場で叫ぶ華夜さん。相変わらず綺麗なひとーーだったが、目の下が青く、瞳孔は開いていた。
「はい、そうです鈴ちゃんでーー」
と安心させようとカッコつけてしまったが、気付く。後ろにいた菜太郎がため息をつき、隼人さんが少しおろおろとしていた。
「 あっ...!!! 」
1人で立ち去って、こんなに綺麗で綺麗で仕方ない美女を、置いていってしまった事。心配をかけさせてしまった事。抱き締めてくれて、艶やかできれいな肌から血を流させて、傷付けてしまった事。何よりーーー
"きゃーっ!よろしく鈴ちゃんっ!"
"は、はい..っ!よろしくお願いします!!"
肝試しでたまたまペアになった華夜さんがギューってしてくれた手を、汚れるとかよく考えもせずに握り返してーー..理科子ちゃんと同じように、ともだちに、なってくれそうだったのにーーー...私は。
「ごっ..ごめんなさいっ...ワタシっ、私ーーーー」
みるみるうちに華夜さんの表情が緩んでいきーーと、その前に華夜さんはきゅっと、私を抱きしめた。
「っひゃっ..!!「無事で...っ無事でよかった....!!!」
強くも弱くもない抱きしめられ方に、その微妙な距離感に、こんな時でさえドギマギしてしまった。少しして離される。
そして、華夜さんの、眉毛が少し下がってしまった泣き顔..泣いてるーーー??な、なんで、私たち会ったばかりでと、その何か遠慮がちに笑う顔はとても美しく、とても哀しくなった。
「わたしっ..わたし」
なんて謝ればいいか、なんてっ..って喉で空で言った。華夜さんの涙の雫があるまつ毛からの視線が、耐えられない。ーーとその時、
ぱつんっ。!
「なっ..!」
「もぉ~~~!!!心配したんだからね!!..葉太郎くんも!!攫われたかと、思った...」