第4章 大魔お..法使いナタリン☆
パラパラ、としおれた葉太郎くんが開いた本を、横から見ようとしましたが止めました。んなぜなら恥ずかしい展開になるのは分かっていたからです。
「あれっ、何冊も入ってる…!!」
と、半分潰れてしまったダンボールの中に、古ぼけた本が平積みされていた。赤い表紙の本を1冊手に取る。ちょっとほこりがかって色褪せていた。
ーーーなんか、中身は物語みたい。ウッ、普段小説読まないし、読んだとしてもフランクなやつだから、頭が内容に追い付か…。
「物語、みたいだな…山田は?」
ただっ白い空間だったから、また、浮いているような感覚になったけど、葉太郎くんだけは、ちゃんとそこに立って”いる”ように見えた。
「あっ…私も!」
どれどれ、と私と葉太郎くんは、箱の中身の本を漁りだした。1冊1冊、何かヒントが無いかーーと、ちょっぴりはちゃめちゃな頭で文を辿ってゆく。
ううん…ほとんど物語の本で、後は植物図鑑とか、私のだぁ~い嫌いなお算数のお本とか…物語の本は、お話のジャンルバラバラでヒントが見つかりそうには…
というかそれにしてもホントにこの城、よく分かんない。なんでこんな部屋と、こんな本があるんだろうーー…なんか不思議に胸がときめきながらも、…ここから共通点出せといっても‥、と頭に叩きこもうと文を指でなぞった。
「うぅん…あッッ!」
と、また葉太郎くんがぴいんとキタようで、いきなり正座し、腕を伸ばして本を積み上げ始めた。
「なっ、何してるの葉太郎くん!?」
すんごい動きがせかせかせかせか!としてたので、思わず彼の元へ駆ける。カワイ゛
「も、もしかして…ッッ!最初積んであった本の、表紙の色の順番が関係してるのかもしれんねぇッッ!!」
はっ…..?とした。確かに、厚さやサイズや色の違いこそあれど、…本の表紙ーーーブックカバーだった、は、どれも同じ装飾だった。
「!!!っ、そっそれだよ!!絶対!!ウンゼッタイっ!!」
と便乗し、一緒になってスライディング正座して本に近付いてみたたけど…。
「お、覚えていない…んだ…」
ジラリ、と彼の方を恐る恐る見る。
「オ‥レも……。」
積み上げられてた順番!!!2人で漁って訳わかんなくなってる…。
一筋の汗が流れ落ちた。2人共。
さっきの、浮かれていたモンキーは、誰だ…。