第4章 大魔お..法使いナタリン☆
「でも、今行かないと、もう、多分…ッッ山田の不安そうな顔は、これ以上ッ…」
葉太郎くんも、恥ずかしくなったのか、口をつぐんだ。…うれしい。嬉しい···
そんな事、考えてくれてたなんて··。もし立場逆だったら、私は、そんなに漢らしい判断は出来ない。
「でもっっ···」
ーーーあーーーーーーーーと、思った。
「··私も、一緒に行く。」
「だっダメだ山田ッッ!!!!!」
私は口を開ける。葉太郎くんが、少し驚いたように口が開いてる。可愛い、かわいい、から···っ!!!
「なんて言わないわ!!!私は自ら犠牲になるなんて事はしないアナタもそう
よ!! 確実に生きるのよ!!!自分の為になんてあなたは言わない。じゃあ
相手の為にも、確実に、生きるのよッ··!!!」
瞳孔が開き、溢れる感情がままに、ワガママにあなたを救いたいと思うがままに、言葉は流れてゆく。
「不安そうな顔が見たくなかったら絶対生きるのよ!!!生きていれば、なん
でも、どうとでもできるっ··。"不安そうにする"女捨て置いて
綺麗にいなくなろうとしてんじゃないわよッッッ!!今はまだ、可能性に賭け
る時じゃないわ!!こういう時に自分を犠牲にして誰かを助けた英雄ほど、
なぁんにも見えていなくて、なんて、阿呆極まりない事!!!!!!!!」
止まらない。私は、愕然としつつもあぁ生きてる!!!瞳が輝いている、彼の肩をしっかり掴んだ。
「"不安そうな女の私を安心させる為に、男が命賭けて自ら犠牲になってくれ
た"なんて私は絶対に嫌だし許さないッッ!!!女の名が泣くわっ!!あんた
私を泣かせたいの!!?!?」
「っ··························ッッッッッーーー·············ッッッ!!!」
こうなると言ってる言葉がおかしくなっていって、ーーハッと唐突に我に返る。
「ご、ごめっ···!『あんた』なんて、言い過ぎ··」肩からパッと手を離した。
「あっり··が···とう·······」
えっ??なにか葉太郎くんが吐息混じりに呟いて、私を見据える。ドキドキした。その目は、あまりに純粋で、輝き、熱い目だったからだ。