第4章 大魔お..法使いナタリン☆
その瞳は、いつもより、優しく…そしていつもと同じくらい、いや、それ以上に光っていたかもしれない。
「きっ‥きっとあるぜッッ!ほら、ここら辺の部屋、オレ全然見てねぇしさッッ!!」
「う、うんっ…!」
どきっと密かに鳴る心臓を無かった事に、して、私は笑顔になる。嘘じゃなかった。
たった今、小さな子供がずぅぅうっと欲しかった絵本を、思わず買ってもらえたような…びっくりしつつ、じわじわと暖かさがどんどん拡大、勇気が、また、
舞い戻ってきた!げ、現金っていうのかな、でも、なんにせよ、励まされただけで、単純だな私!
と、今だけは、単純な自分に感謝!してたら、がちゃっ…と葉太郎くんが祈るように、スタート地点から、最初のドアを開きかけた。
ーーその時。
「ああッッッ!!!」
びっくりした。えっ…!?なんて思う前に、葉太郎くんが私の両肩をがしッッ!! 「ッ!?!?」
「そうだッッ!このヤッ…イヤヤッ!!お化け屋敷のスタート地点からこの先ーーオレ達探してないよなッッ!?」
一瞬ん?今やらせって言いそうにーーという考えは消去され、「うっうんん!!」と、そっち!?となりながら、私恒例必殺(主に自分をを…)!変な声を発揮してしまった!っじゃなくてーーっ!!
ハッとした。葉太郎くんが、スタート地点のそちら側へ、駆けてゆくーー…ん
?今の私は、思わず眉を潜めてしまっただろう。なんっ、違和感。
私は目を見開いた。
「だめッ!!葉太郎くっ!!!」
葉太郎くんはビグゥッと両肩を震わせて、こっちを見てきた。な、何…?という顔。自分の変な声の事は、着地とかそういうの気にせずどっかに放り投げ、そのまま両手で口の周りを囲んだ。
「あの紫の人がっ‥髪!!!っ‥がね、というかとにかくそこから先は行っちゃいけないって!!」
なんかちょっとグダグダ感は否めないが、葉太郎くんには伝わったようだ。まだホッとできない。足はーーー良かった!スタート地点だと定めたあの、うにょうにょとした線の、壁の飾りから外に出てない!
「ほっ…よ、良かったぁ…、じゃあ、また探そう!」
自分が自信を持って探そう、と言えたことに驚きつつ、私はついて来てくれるで
あろう葉太郎くんに背を向け、歩き始めた。
すると…、
「いや…」