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ご指名は?1.5

第4章 大魔お..法使いナタリン☆



がちゃっ。と葉太郎くんは、無言でドアを早いとも遅いともいわない速度で開けていった。虚無のかほで見守る。

「···違うな···」

「·····うん···」

葉太郎くんがすすす、と歩く。一列になって私達は静かに進んだ。

がちゃっ。

「···違うな···」

「·····うん···」

がちゃっ。

「···ち「うん·····」 「早いな山田!!」

なぁんだ···無いじゃん···。


結局、その階にもあの、白と箱の部屋は無かった。

「嫌いやイヤイヤイヤッッ!!!最上階まで分かんねッ···!?からなははははははははは!!!」

「うどぅあだだだだ大丈夫だよねッ葉太郎くん…でもなんとなく次の階でありそう!」

「お、おうッッ!」


次の階にも、あの部屋は無かった。


「なんか…無い気がしてきたな…(まあ、流石に次くらいはあるだろ…)」

「う、うん…(戒めや…でっでも大丈夫!!いや無ッ)。」


そして、最上階にも無かったとさ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・み、見落としたのかもなッッ!!もっか
い、回ろうぜええええええええっ」

「あ、ああ…うんっ…!」

葉、葉太郎くんが、ここに居てくれて、ホントに良かった…っ!!

と、さっきみたいに、もう闇の中に飲まれる事は、なくなった、けど…

ねえ、葉太郎くん…

いつの間にかお互い息を殺して、進んでいた。ーーふいに静かになると、息の音が、大きく相手に聞こえては、ずかし‥いからっ!!!だ‥。私は、彼の、小柄な方だけど、意外と大きかった背中を見つめながら‥置いて行かれないように、尚且つ近付きすぎないように付いてゆく。あっ!足がちょっと、もつれかけた。

そっ‥そのせいもあるけれど、私たちお互いっ‥やっぱり階段は怖いからだよね…。なんか、ホントに、見つからない気が、してきた。いやっ!でも、私ちょおおっとおっちょこちょい‥だから、あの暗かった部屋…あ、さっきも!いや、机があったから、違う…でも、見落とした気がしないか。

そう、思っとこう…

私たちは、必要以上、何も喋らなかった。いや、喋れなかった…。

そんなこんなで、階段を何回も降りて、最初のスタート時点まで戻って来た。ふいに、葉太郎くんが口を開き、私の瞳を、まっすぐに見てきた。


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