第4章 大魔お..法使いナタリン☆
がちゃっ。と葉太郎くんは、無言でドアを早いとも遅いともいわない速度で開けていった。虚無のかほで見守る。
「···違うな···」
「·····うん···」
葉太郎くんがすすす、と歩く。一列になって私達は静かに進んだ。
がちゃっ。
「···違うな···」
「·····うん···」
がちゃっ。
「···ち「うん·····」 「早いな山田!!」
なぁんだ···無いじゃん···。
結局、その階にもあの、白と箱の部屋は無かった。
「嫌いやイヤイヤイヤッッ!!!最上階まで分かんねッ···!?からなははははははははは!!!」
「うどぅあだだだだ大丈夫だよねッ葉太郎くん…でもなんとなく次の階でありそう!」
「お、おうッッ!」
次の階にも、あの部屋は無かった。
「なんか…無い気がしてきたな…(まあ、流石に次くらいはあるだろ…)」
「う、うん…(戒めや…でっでも大丈夫!!いや無ッ)。」
そして、最上階にも無かったとさ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・み、見落としたのかもなッッ!!もっか
い、回ろうぜええええええええっ」
「あ、ああ…うんっ…!」
葉、葉太郎くんが、ここに居てくれて、ホントに良かった…っ!!
と、さっきみたいに、もう闇の中に飲まれる事は、なくなった、けど…
ねえ、葉太郎くん…
いつの間にかお互い息を殺して、進んでいた。ーーふいに静かになると、息の音が、大きく相手に聞こえては、ずかし‥いからっ!!!だ‥。私は、彼の、小柄な方だけど、意外と大きかった背中を見つめながら‥置いて行かれないように、尚且つ近付きすぎないように付いてゆく。あっ!足がちょっと、もつれかけた。
そっ‥そのせいもあるけれど、私たちお互いっ‥やっぱり階段は怖いからだよね…。なんか、ホントに、見つからない気が、してきた。いやっ!でも、私ちょおおっとおっちょこちょい‥だから、あの暗かった部屋…あ、さっきも!いや、机があったから、違う…でも、見落とした気がしないか。
そう、思っとこう…
私たちは、必要以上、何も喋らなかった。いや、喋れなかった…。
そんなこんなで、階段を何回も降りて、最初のスタート時点まで戻って来た。ふいに、葉太郎くんが口を開き、私の瞳を、まっすぐに見てきた。