第4章 大魔お..法使いナタリン☆
あ、
その上に、あの男の人乗ってて··これ私関係あるのかなぁって思ってた··」
ちゃんと部屋を確認しつつ話をちゃんと、かなり真剣に聞いてくれている葉太郎くんの横顔に不安になって、声が小さくなっていってしまった。
「なるほど··ありがとな、山田。じゃあ、アイツをっていうかその部屋を探そうぜッッ!」
急にありがとな、で声が低くなる葉太郎くん間近に密かにドキマギしつつ、またしても、ちょっと不安になった。
「で、でも··確かにあの部屋を探せばいいかもしれないんだけど、もし、あの
部屋に行かなくても良い、私が考え付く限りの事で分かるヒントだったら··?」
さっきからドアを開いても、あの部屋は見つからないし、あの男の人も見当たらないーーー見落としてるかもしれない。そして、この城にあるのかも分からない、あの部屋が見つからないのであれば、ずっとそれを探すより、ヒント分かるまで二人で考えて、男の人にもう行っちゃおう、みたいなーー···。
「ううん··悪いけど、その情報からオレはヒント分かりそうにないから、やっぱりこのままあの部屋を探すしか考えられねぇなぁ··」
うーん、と言いつつ冷静そうな葉太郎くんを前に、ますます不安になった。
「で、でも!··こ、これ以上無闇に歩いて男の人を見落としてしまったら··あの部屋はもしかしたら城にないかもしれない··」
と、新情報を教えるように、私はマジメな顔を作ってしまった。そして、葉太郎くんと会って初めて、暗闇に小さく震えた。
「えッッ??さっきの説明で山田、あの部屋は、あの男の人が言うにこの城だと思う··って言ってたぞ」
ーーーーえっ?
······あ。
「あ···そう、だっ、たかも···」
またも真剣な顔になって自分の顎に手を添える。この言動こそ情けないな···と自分の落ち度のひどさを痛感した。
そう···。
そう···だよ、私。不安になり過ぎて、大事な事、忘れてた···。