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ご指名は?1.5

第4章 大魔お..法使いナタリン☆



息を整えて、私はきゅっと体を小さくする。

「そ、そんなの全然ッッ··だぜ!!」

ああ、まずい、葉太郎くんに気を使わせちゃった··!

「···全然、覚えてねぇよ·····」

ねぇよ、がとても小さな声になっていった。葉太郎くんは、私に背中を見せる。

だけど、彼の顔は角度的に、十分見えてしまっていた··。眉は真剣そうに上がり、顔がかっっと赤くなってる···薄暗闇の中なのに、その瞳は宝石の欠片のようにきららっ。その光が、目に、胸の内側に、焼き付く。

え·······。

目が離せなかった、また胸が、ザワザワとざわめきを起こしていた。暗闇の
中、2人は微動だにしていない。

「は、葉太郎く··」

って何ちょっともぉう!!高い声いゃぎゃアア!!と一人で心の中で悶えていたら、

「ん·····」

···え?

少し後になって気付いた。若干、ほんの少しだけど、葉太郎くんの右腕が後ろに下がっていた。

「え、えっと···つ··かまっ······」

それ以上の言葉は、蝋燭の火が急に不安そうに揺れたからか、いや、私のしんぞうの音のせい、で、掠れて、最後まで言えなかった。

「········あ··あ·······」

葉太郎くんは、ぎこちなく、こく··ん、と頷いた。二回目のあが聞こえなくて、じいぃん、と何か、暖かくなった··

葉太郎くんは、気を使ってくれているんじゃない、やっぱり、あなた

はーー

「···あ···りがと···ぅ」

私を、守ってくれようとするんだ··。暗闇の中にいた私は、もうすっかり、昼間のように怖くなくなる。

葉太郎くんの袖を、軽めに、握った。

この人は、かわいらしいけーーーーーーーガガタンッッ!

「ギょおわえっっ!?!!」

と、私と葉太郎くんは目ん玉が飛び出て、同時に音が鳴った方を向く!!

「あっ··スマンッッ俺が頭ぶつけただけだ···ッッ!!」

・・・。

「っふ、ふふっ···」

と、思わず女の子らしい声が出てしまった。笑いを堪えたら、でも、自然にこうなってしまった。

「ッッ!··ッッあんまり笑っ···」

ギィイイイイイイ···

私と葉太郎くんは顔を見合わせた。

「「っきゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!!」」

屋敷にこだました。

「············」

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