第4章 大魔お..法使いナタリン☆
息を整えて、私はきゅっと体を小さくする。
「そ、そんなの全然ッッ··だぜ!!」
ああ、まずい、葉太郎くんに気を使わせちゃった··!
「···全然、覚えてねぇよ·····」
ねぇよ、がとても小さな声になっていった。葉太郎くんは、私に背中を見せる。
だけど、彼の顔は角度的に、十分見えてしまっていた··。眉は真剣そうに上がり、顔がかっっと赤くなってる···薄暗闇の中なのに、その瞳は宝石の欠片のようにきららっ。その光が、目に、胸の内側に、焼き付く。
え·······。
目が離せなかった、また胸が、ザワザワとざわめきを起こしていた。暗闇の
中、2人は微動だにしていない。
「は、葉太郎く··」
って何ちょっともぉう!!高い声いゃぎゃアア!!と一人で心の中で悶えていたら、
「ん·····」
···え?
少し後になって気付いた。若干、ほんの少しだけど、葉太郎くんの右腕が後ろに下がっていた。
「え、えっと···つ··かまっ······」
それ以上の言葉は、蝋燭の火が急に不安そうに揺れたからか、いや、私のしんぞうの音のせい、で、掠れて、最後まで言えなかった。
「········あ··あ·······」
葉太郎くんは、ぎこちなく、こく··ん、と頷いた。二回目のあが聞こえなくて、じいぃん、と何か、暖かくなった··
葉太郎くんは、気を使ってくれているんじゃない、やっぱり、あなた
はーー
「···あ···りがと···ぅ」
私を、守ってくれようとするんだ··。暗闇の中にいた私は、もうすっかり、昼間のように怖くなくなる。
葉太郎くんの袖を、軽めに、握った。
この人は、かわいらしいけーーーーーーーガガタンッッ!
「ギょおわえっっ!?!!」
と、私と葉太郎くんは目ん玉が飛び出て、同時に音が鳴った方を向く!!
「あっ··スマンッッ俺が頭ぶつけただけだ···ッッ!!」
・・・。
「っふ、ふふっ···」
と、思わず女の子らしい声が出てしまった。笑いを堪えたら、でも、自然にこうなってしまった。
「ッッ!··ッッあんまり笑っ···」
ギィイイイイイイ···
私と葉太郎くんは顔を見合わせた。
「「っきゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!!」」
屋敷にこだました。
「············」