第6章 コワイヒト
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そんな中、とある一角で土煙が上がった。
「何者?!」
毘沙門は身構え、呼びかけた。土煙の向こうから姿を現したのは同じ獣に乗った神の姿。
「神流…」
「久しぶり。毘沙門。」
「そこをどけ。」
「………」
「どかぬのであれば、討つのみ!そなたの命保証は出来ぬ!」
両手に構えられた銃から発射される弾を交しながら、神流は間を詰めるべく黄金から降り、前へと駈け出す。
「月白。」
神器を呼び、片手には白い刀が収まった。雪音とは少し違う、だが切れ味は最高で斬りつけた神流を毘沙門は軽くよけて鞭を振るった。
鞭は生き物のように神流を狙う。
「黒壇、漆黒。」
両手に銃を持ち替え、鞭を撃ち返し隙を見て再び黄金に飛び乗り空へ駆け上がった。後ろから付いてくるのがわかる。
気が抜けていたのか、首だけ振り返ると銃を構えている毘沙門の姿。そして、肩すれすれに飛んできた弾。
「危な!」