第6章 コワイヒト
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ひよりたちに礼を言い、神流と夜卜は再び昼間の神社にいた。小福は泊って行けと言ったが断り、茜達は速く帰って治療をといったが神流はそれも断った。
布を水に浸し、そっと夜卜の肩の傷口を拭いていく。項に広がるヤスミが暗闇の中はっきりと見える。
無言でたんたんと作業を進め、三角に折った布で傷口を縛り終わると、夜卜は清水に浸した布をヤスんでいる部位に当てた。
「無理だよ。清めきれない…」
「…早く帰って、手当てしろよ。」
「…夜卜はどうするの?」
あまりにも静かな声。神流らしくない。見れば、うずくまり顔を伏せていた。
声をかけるのも躊躇するほどの変わりように戸惑う夜卜。
どこかで雫が一つ落ち、声が聞こえた。
「夜卜、そんな顔しないで…あたしを使えばいいのに…」
「野良…」