• テキストサイズ

最強、武神の野良生活 (ノラガミ)

第5章 境界線


妖の叫び声が耳に五月蠅く響く中、不安そうに下を見ている神流にひよりがそっと声をかけた。

「その怪我…早く手当てしないと!」

「ひよりさん。それは私達がやりますので、お気になさらず。」

ひよりが声のした方を振り返ると、深緋と黄金、竜胆がそこにいた。神流も彼らに気付くと、悲しげな顔を見せるのであった。


「あの子…雪音君が心配してたあの子、助けられますよね?」

その問いに、深緋がしっかりと首を横に振る。

「妖に触れ堕ちた魂が行きつくのは、朱にまみれた生き地獄でしかありません。すでに妖に取り込まれてしまった今、私達が出来る最大のことは、あの妖を斬り解放してあげること。それしか、道はないのです。」

「そんな…だけど!」

「嬢ちゃん。これは、誰が決めることでもない。この世の理。堕ちたものは苦しみ、我々は斬ることでそれを助ける救世主となる。神の力を持ってでも変えられぬことだってあるのさ。」

竜胆のゆったりとした声が優しく厳しく、そして冷淡にひよりに説明する。その間に、夜卜は見事妖を倒したのであった。



/ 76ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp