第5章 境界線
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とある小さな神社に場所を変え、皆思い思いに物思いにふけっていた。
清水に腕を浸している神流の隣では夜卜が腕を組み、同じようにうなじに清水を浸した布を当て俯いている。
「お前が雪音を見つけてくれていなかったら、今頃俺は…」
「…………」
「…サンキュ。」
「礼なら、深緋に言ってよ。」
少し離れたところにいる深緋に夜卜が顔を向けると、深緋は小さく頭を下げた。
雪音は一人、石段に座り先ほどから下を向いている。その様子を、同じ神器である黄金たちはただ静かに見守り、神流と夜卜はただひたすらヤスミを清め、ひよりは彼らの様子を交互に見ていた。
闇を、怖がりながら。