第5章 境界線
------------------------------
----------------
-------
朝が来て神流はゆっくりと目を開けた。ベッドから身を起こし、ぼんやりする目をこする。
「あ、神流さんおはよう。夜卜ならもう出てったよ。」
二藍にそう告げられ、神流の顔は朝から曇った。結局夜卜は神流の社に泊っていった。
「夜卜、ずいぶんヤスんでたね。斬っちゃおうか?」
「そう簡単に神器が斬れたら神も苦労しないって。」
「冗談だよ。でも、はやく手を打たないと、アレだけはしたくないよな…僕だったら御免だな。」
思い出すだけでも震えが出たのか、腕をさすりぶるぶると震える二藍の後ろから菖蒲が顔をのぞかせ不思議な顔で二藍を見下ろす。
「何やってんだ…?そうだ、お譲。先日伝えた毘沙門、様の件だが…」
神流はベッドから降り、長い金髪をなびかせ部屋の外に出る。後に続く二藍と菖蒲。
ドアを開けると既に神器達がそろって待っていた。