第4章 幸せのありか
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陽はあっという間に落ち、あたりは暗闇に染まる。ひよりは既に帰り、神流は一人、歩いていた。
願われたら、何でもする。それが誰かの願いなら。
少しひよりをおどかしてしまったことに罪悪感を感じながらも、あのときは言わずにはいられなかった。
ふと顔をあげると夜卜とひよりがなにやら話していた。思わず足が止まりただそこに立つのみ。何をしたいのか、分からなかった。
そんな神流の気配に気づいたのか、不意に夜卜が振り返り神流はそこにただ立っている意味が無くなった気がして、ゆっくりと足を踏み出した。
「…ひより。先行っててくれ。」
ひよりが先を行き、二人きりとなった二人の間には風も、なにも通りはしない。
「そういえば、こうして会うのは久しぶりだな…いつもは、周りにいるからな。」
「そうだね…それで、何か用でも?それとも…」
「俺に何かあったら、あの二人のところへ行け。…さっき、ひよりにそう伝えた。お前にも一応釘刺しておこうかと…」
どことなく照れくさくなって、夜卜は視線を逸らした。
素直に小さく頷いた神流に安心したのか、頭の後ろで手を組みさっさと歩きだす。つられるようにして神流も歩を進め、二人が並んで歩いてくるのを、ひよりはそっと見ていた。