第4章 幸せのありか
しかし、この後神流は夜卜にライダーキックという名の神の制裁を下すことになった。
「これ買っちゃったーーーーー!!!」
「「「何その坪――――――!!!」」」
「街でおばちゃんに手相見てもらったらー、貴方にだけ特別にお売りしますって言われちゃってー、毎日こうやって磨きながらハッピーハッピーモッテモテ♡ってとなえればいいだけなんだってー!」
「「「カモられてる!!」」」
「これは、西に飾ると宝くじが当たるんだってー!このブレスは夢のマイホームが建ってー、こっちは偏差値アップ志望校合格!これだけあればあっというまにハッピーハッピーモッテも…て…」
次から次へと出されるキラキラと眩しい限りのニセモノ商品を前に満足げに披露するが、漂う殺気に近い怒りに目を開けると怒り心頭の三人が鬼の形相で見下ろしている。
「ひーよりーーーーー!!!」
「ジャングルトルネーーーーーーーード!!!!!!!」
雪音が投げた指をひよりが割り、そして夜卜に神流の制裁が下った。無言無表情で蹴りを入れひよりから貰ったお弁当のふたを開ける。
壺の欠片を手にうじうじとうなだれる夜卜を前に雪音と神流は箸を動かす。二人の代わりにひよりがお説教をしてくれるだろう。
「ちゃんと働きなさいっ!」
「仕方ないだろう。働きたくったって依頼がこねぇんだからさ…」
「夜卜言ってましたよね。神と神器は一心同体だって。せっかく立派な神器に会えたのに神様の方がそんなんでどうするんです?…ちゃんとしてください。雪音君の為にも。」
「……ひより、体取ってこい。…お前に会わせたい奴がいる。」
何を思ったのか知らないが、とりあえずついていくことにした。