第3章 招かれた厄災
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「死にたい奴は死ねばいいなんて言ってたけど、やっぱり助けてくれるんですね。」
「そんなんじゃねぇよ、だが、こいつ等の前で軽々しく死なせたりしねぇ。」
ひよりが体を取り戻し、一件が終わった後。夕陽の茜色に染まる踏切で、四人は佇んでいた。
「こいつら?」
「苦しくても辛くても、生きていられる重みを感じやがれってんだ。」
神器は、若くて幼いものが多い。自殺ではないということは、神器はまだ生きたかった人達。生きたくても生きられなかった人達。そんな彼らの前で命を粗末にする人間を夜卜は許せなかったのだ。
そのことがわかると、なにかがひよりを縛りつけた。
涙が頬を伝い、道路にシミを作る。
「ひより…?」
その様子に気付いた雪音が声をかけるも、涙は次から次へと流れ、頬を染め、涙を夕陽に光らせる。
とたんに神流と夜卜に電気が走ったような痛みが襲う。
「エロ雪音!!」
掴みかからんばかりの勢いの夜卜の肩を神流はとんとんと叩く。見ると、ひよりは袖で涙を拭いていた。
「おまっ、何かしたのか?!」
「してねぇ!」
「だ、大丈夫です。ちょっとさっきの粉粉が目に入っただけ。」
言い訳するひよりにえ?!っと驚く。
「それ、全然大丈夫じゃ…!!」
「あー!ひより!目こすっちゃダメ!!」
「あちゃ、やりすぎた?」
日はもうすぐ落ちようとしていた。黄昏のなか、一件を終え誰もいない道路に三人の声が響いた。