第3章 招かれた厄災
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夜。
一旦は自分の場所へ帰ったものの、神流は気になって外へ出た。風は強く、外は寒い。黄金と竜胆を連れて小さなお社へ向かう。
案の定、賽銭箱の上に夜卜が、下には雪音がいた。
「…来ればいいのに…」
「甘えてばっかでいられるか。」
「雪音が可哀想だよ。」
そう言うと、困ったように口を閉ざす。雪音は寒いのか、小さく身震いするとゆっくりと体を起こした。
「神流さん…」
「今日はお疲れ様。寒いでしょう?」
賽銭箱に背を預けるようにして雪音の隣に座る。おいでとばかりに自分の膝を軽く叩くと、戸惑いながらも石よりは楽だと思ったのか、ゆっくりと神流に膝枕されてる状態で眠りについた。
「あまり甘やかすなよ。」
「…毛布…あるよ。」
上から降ってくる声に、問いかける。
「…雪音にかけてやれ。俺はいい。」
「寒い癖に。」
そっと、眠っている雪音に毛布をかけると、以外にも素直に夜卜が隣に降りてきた。
竜胆がそこの隙間を埋めろとばかりに鼻で夜卜を押し、仕方ないという表情でぴったりとくっつく。竜胆はそのまま夜卜にくっつき、足元では黄金がすでに寝ている。
いつしか、神流も夜卜もそのまま眠りに落ちて行った。
その様子を見ている、ふたつの瞳に気付きもしないまま。