第3章 招かれた厄災
「…では、案内を頼んだよ。真。」
「公。真喩は此処に来て日も浅く、案内は他の者に。」
梅雨がの意見に天神はそうだねと唸るが、真を使う理由を口に出した。
「ふーん、だけどね、真喩は夜卜君のこと良く知ってるんだ。」
天神が持っていたキセルが光り、呼び名を呼ばれたそれは人の形と戻った。それは五円を加えていた夜卜の隣に現れた。
とたんに夜卜の目が猫のように見開かれる。
「伴音ええええええええ?!?!」
「伴音ではありません。真喩です。」
「伴音!おまっ…こんな大手に…」
真喩を指さす手が震える。
「真喩です。」
その迫力や如何に。突然の出来事に夜卜は再び動けなくなる。
「あの…」
「私、前は夜卜さんの神器だったんです。」
歩み寄ってきた三人に真喩が説明する。真喩は神流を見るとゆっくりと頭を下げた。
「そうだったんですか!どうでした?!お仕事の方は!ちゃんと依頼はこなしてましたか?!」
「衣食住の方は?あいつ、本当に住所不定無職のジャージ?!」
「住所不定無職の自分は神だというジャージの人でした。」
今と変わらない様子に落ち込むひよりと雪音。
「少しは元主をたてろ!伴音!」
「真喩です!昔の名前で呼ばないでよ!汚らわしい。」
「俺に触られるのがどうとかいってたくせに!じじいのキセルになんか成りやがって!金に目がくらんだかああ!!!!」
「あんたんとこじゃなきゃどこだっていいわ!!」
何故夜卜のまわりは口喧嘩が絶えないのだろう。思わず神流は頭を押さえた。