第3章 招かれた厄災
「あぁ~、ボク今忙しいじゃない?受験シーズンで。ちょっと切ってほしい妖がいるんだよね~。君、どうせ暇でしょ?うちのお社で勝手に寝泊まりしてるの知ってるよ。いいんだよ、うちの天満グループに入れてやっても。支店長にしてあげるよ?…でもさ、君自分のお社欲しいんでしょ?だったらほらぁ…ん?ごっめーん、大きいのしかなかったー、お釣りある?」
自らの財布から出した一万と書かれた紙幣をひらひらとさせる天神と、唇をかみしめながら恐る恐る自らの集めた五円が入っている一升瓶を出す夜卜。とたんに夜卜の顔色が変わる。
「おやぁ~、たーりなーいのーかなー?」
一万円札をひらひらと夜卜の目の前で振り、馬鹿にする。
「こんなところにまで貧富の差が…」
「だから世の中不公平なんだな。」
雪音のもっともな意見に、そうだねーと相槌を打つ。キンと音がして天神がなにやら飛ばすと、夜卜が慌ててそれを掴んだ。
「…もってんじゃねーか!!!」