第3章 招かれた厄災
ふてくされる夜卜をよしよしと赤ん坊のように慰めていると、手を合わせて拝んでいたひよりを天神が柔らかく諌めた。
「おや、建御雷神のお譲ちゃんじゃないか。久方ぶりだね。君、いつまでもそんなことしてないで、彼女にもお礼を言いなさい。君達が平和に安心して暮らせるのは彼女のおかげなんだよ。」
「久方ぶりじゃの~、天神。相変わらずハーレム状態で、なによりじゃ。」
「無理して元に戻さなくてもいいんだよ。大変だろう。」
「いやいや、妾は気にせずともよい。お主はこちらのほうが慣れ取るじゃろう?」
「それはありがたい。」
昔話に花を咲かせていると、夜卜がゆっくりと体を起こし天神を睨みつけんばかりの低い声をだした。
「で、用件は!!」