第3章 招かれた厄災
その場にへたりこむ夜卜の背中をよしよしとさする。相手があの天神様じゃしょうがない。
「すっげぇ、神オーラ…」
「神々しすぎます!」
「あらあら、そう。」
「それに引き換え…」
ひよりと雪音が後ろを振り返る。その視線に心ぐさっと刺され、夜卜の落ち込み度はマックスを超えた。
「ん?夜卜君?この子名前は?」
「名は雪…器は雪(せつ)、呼び名は…雪音だ。」
ぎりぎりと歯を食いしばりながら雪音の紹介をする。はいはい、といいながら慰めるように頭をなでる神流。
「雪音君、君神器になりたてだね。神器は平伏せずともいいんだよ。」
「へ?」
「梅雨。」
先ほど現れた物の正体は、皆巫女であった。そのうちの一人、梅雨と呼ばれた額に梅の模様がある巫女が数歩前に出ると昔言葉で淡々と口を開いた。