第3章 招かれた厄災
二人してため息をつくと、誰かのケータイが鳴った。それは夜卜ので、ポケットから素早く取り出すと、とたんに声色を変えてケータイを耳に当てる。
「はい!早くて安くて安心、デリバリーゴッドの夜卜でございまっす!!……雪音!仕事だ!すぐ行くぞ!!」
先ほどとは打って変わって、目がきらきらと輝いている。
そうとう、いい仕事なのか。
「仕事?」
「あ!ちょっと、私の依頼は!!」
ひよりが捕まえておこうと飛びついた時は時すでに遅し。ぱらぱらと貰った飴を地面に落とし、姿は消えていた。
今までで一番大きなため息をつくと、神流もまたその場から姿をくらませた。