第3章 招かれた厄災
ふと、どこからか猫の鳴き声が聞こえ、振り返ると一匹の野良猫が雪音にすり寄っていた。
「お前、さっきのめざし泥棒。」
よしよしと、言いながらしゃがみこみ猫の頭をなでる雪音にひよりは声をかけた。
「雪音君、猫好きなの?」
「たぶん。」
「可愛いよね~、猫。私も好き。」
隣に同じようにしゃがみこみ、猫を見つめる。そのほほえましい光景に神流も思わず頬を緩めた。
ベルの音が鳴り、夜卜が店から出てくると突如うなじに痛みが走った。同じタイミングで、神流もうなじに指すような痛みを感じ顔をしかめる。
「雪音、今おまえ、エロいこと考えただろ!」
素早く顔を向ける雪音の頬はほんのり赤く、場が悪そうに目を逸らした。