第2章 雪のような
「そいつは、武神といってもただの武神じゃねぇ。建御雷神。武神の総基締めだ。」
「そんな怖い顔しないでよ!折角の再会なんだから楽しく行こうぜ!」
夜卜に飛びつくようにして、頬を軽く小突く神流。夜卜はいやだいやだともがく。
神流ははいはい、といいながら数歩下がると馬鹿にしたように夜卜を見下ろした。
「ところで、夜卜君。神器無かったんですって?しばらくの間。見つかってよかったわね~。ま、俺がもらおうとしてたんだが、今回は見逃してやるよ。」
「うるせぇぞ!この、痴女!女の癖に俺とか言いやがって、かっこつけてんのか!!あ?!」
「まっさか~。何をおっしゃる夜卜様。俺に逆らうなんざ、許される身分ではないぞ。黒檀!」
神流が差し出した右手に次の瞬間には黒い拳銃が握られ、銃口はぴたりと夜卜に向いていた。