第2章 雪のような
「わ、わかったよ!お、俺が悪かった!!」
慌てて謝罪をする夜卜を神流は笑顔になってを元黒檀に戻した。右手をひらひらと振り笑いながら謝る。
「ごめんごめん。冗談だって!まさか、そんなことするわけないだろ。俺が逆に殺されるわ!」
あははと笑いながら、夜卜の肩をばしばし叩く神流。ひよりは、悩んでいた頭をはっと元に戻すと、神流を指さした。
「建御雷神って、あの最古で最強の!!」
「最強の…武神?!」
恐れをなしたのか、数歩うしろにさがると瞬く間にひれ伏する二人。
神流は困ったように二人を見下ろしてからゆっくりとしゃがんだ。同時にぽんっと二人の頭を叩くと、ゆっくりと顔が上がった。
「私のことは神流でいい。君達は…ひよりと雪音だな。よろしく。」
そういって、手を差し出すと最初は不安そうにしていたが、顔を見合わせると順繰りに握手をした。
雪はいまだに優しく、清らかに、そして、儚げに散っていた。