第2章 雪のような
「へぇ~。これが神器。綺麗―。剣っていうよりはむき出しの刃ですね。」
「こいつの名は雪。呼び名は雪音。」
呼び名を呼ぶと、神器は再び光を放ちそれは徐々に人の形になっていった。
「え?え?…あれ?ひ、人になったああああ?!!!」
それは、十代ぐらいの男の子の姿になると、しばらく不思議そうに自分の手を見つめた後、寒そうに体を震わせた。
「雪音。俺は夜卜、お前の主だ。」
そういいながら、きているジャージを脱ぐ。
「彼岸より召されしお前を神器とする。眷族よりも傍に、長く従うことを許す。…着ろ。もう、恐れることはない。」
ジャージを差し出す夜卜に対し、雪音は
「いいよ、汗臭。」