第3章
夕食後食べ終わったお皿たちを透が洗い、その横で水で濡れた皿を布巾で拭いて重ねる灯桜。
「透君の作るご飯は本当においしいね。
毎日食べてても飽きないよって言ってもまだ会って2日だけど」
「そう言っていただけて嬉しいです!
…そういえばなのですが、灯桜さんは草摩の経営されている温泉宿の女将さんのお子さんはご存知でしょうか?」
「え?あー、うん。私と女将さんの子供…りっちゃんと楽羅とは上下に2つずつ違う事もあって草摩の中では仲も良い方なの。
だから結構遊んでた、今もたまに一緒に出掛けるくらいには仲良いよ」
「そうなのですね!ではりっちゃんさんは女性の方なのですね!」
「ん…?ま、いっか。透君の周りには十二支が集まるっぽいし」
透のその言葉で灯桜は自身の説明不足を感じ、訂正するか悩むもしない方を選ぶ。それが何か楽しいことを呼ぶのでは、と考えれば頭に?を浮かべる透に秘密。と悪戯な笑みを浮かべた。
そんな灯桜の考えが現実になるのは意外と早いとは本人も思わない。