第3章
慌ただしくも学校に出かけた学生組を見送った後、一応は世話になる身のため学校に間に合わせるために透ができなかった洗い物を片して出かける準備をしているとこの家で唯一の社会人の紫呉が顔を出す。
「おや、何処か行くの?」
「買い物に」
「家具でも買うのかい?」
「そうだね、この部屋何もないから」
ついて行こうかと言う紫呉に首を横に振れば家を出
る。
玄関から一歩出るとすぐさま襲い来る夏の強い日差しに、灯桜は暑いのはやだなぁ…と独り言をぼそりと呟いて坂を下る。
まずは買い物をするべくショッピングモールに歩き始めるる。家から遠く感じる道中は初めて通る道だったからか、きょろきょろといろんなものを見ているうちに気が付けばあっという間に辿り着いていた。
ショッピングモールの自動ドアが開くと中からはスーッと涼やかな空気が出てきて暑さで火照った体にはとても心地が良いものだった。
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まずは家具からと、家具専門フロアに行けば様々なデザインの家具たち。
灯桜はフロアを一周するとあっという間に買うものを決める、部屋は決して狭くはないけど広いとも言いづらい。
そのため彼女が選んだのはベッドとチェスト、それから小さめの机とベッドサイドテーブルの4点、そのどれもが白を基調としている。そして最後に白地にモスグリーンのオーナメント柄の絨毯を購入する。
全て後日届くように手配してもらえば家具専門フロアを後にして服や雑貨のフロアに移動する。
「あ、この服かわいい…」
フロアを一周しているうちに灯桜の好みの服が売ってる店を見つけたようで立ち止まって見ていた。