第3章 出会い
三成君の計らいで、気分転換に城下へやってきた
最近は南蛮商人が立て続けに登城し、ゆっくり休むことも出来なかった
(せっかくだからゆっくりお買い物でもしようかなあ)
町を見て回っていると、人だかりを見つけた
様子を見に行ってみると、贔屓にしている反物屋の店主と南蛮商人が言い合っているようだ
「どうしましたか?」
群がる人々をかき分け、店主の元へ歩み寄った
「あれ未来ちゃん!この南蛮の方が何言ってるかサッパリでねえ…、困ってるんだよ」
「でしたら任せて下さい。
¿Con qué te puedo ayudar?」
(どうされましたか?)
「Gracias a Dios!!」
(助かった‼︎)
彼らの話を聞き、反物屋の店主へ伝える
「こちらの方は、この反物はとても素晴らしい品だからたくさん購入していきたいって仰っています」
「うちの反物をかい⁉︎南蛮の商人の方に気に入ってもらえたならそりゃあ有難い!」
「Gracias!! アリガト」
彼らの購入を見届けて、その場を去ろうとすると突然声を掛けられた
「実にお見事です」
大袈裟な拍手をしながら、こちらに近づく一人の男性が…
「……?」