第11章 拒絶
何が起こったのか未来は分からないまま、肩を押さえる元就に近づくと、元就の右肩の着物が血で滲んでいるいる
「大変…っ‼︎」
「このくらい平気だ…大したことねェ」
「平気じゃないですよっ、傷口見せてください」
オロオロする未来だが、家康に教わった傷の処置方法の手順を思い浮かべながら、元就へ手を伸ばした
「……っ、やめろ、触んじゃねェっ」
「ごめんなさい…っ、でも…」
元就の拒絶に未来は怯んでしまう
「このくらいの怪我でいちいち狼狽えるんじゃねェよ」
「元就様、毒蛇の恐れもあります。血管から毒が回れば、ひとたまりもありませんよ」
広良も主君を心配してのことだろう
「毒蛇…⁉︎…それじゃあ、私が毒を吸い出します。少し我慢して下さい」
「いけません、姫様にそのようなことをさせるわけには…!」
広良が反対する声を未来は聞き流し、肩の傷口の周りを手で押さえ、唇を寄せようとすると元就の身体がビクッと強張り、怪訝な顔で未来を睨む
「…すぐ終わらせますから」
目で懇願する未来から元就は顔を逸らし、目元を掌で覆い、視界から全てを消した
「くそっ!さっさとしろ…」