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《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第11章 拒絶








信長への謁見後、未来は元就の監視の元、城下へ連れ立って歩いていた


先程の信長とのやり取りについて、未来からは一切触れなかったが、元就が話題に出してきた


「どうしてあんなこと言った?」


「あんなこと…?」


どのことを言っているのか分からず、首を傾げながら未来は元就を見た


「また連れて行けって。それに俺への処遇も好きに出来たはずだろ」


先程の謁見で、松寿丸の護衛を解いて新たに別の人を護衛につけても良いと信長から案を出されたが、未来はそれを断った


「言ったじゃないですか。今度は必ず毛利元就の有益な情報を持ち帰るって。その為には、あなたの近くにいるのが最良の選択だと思ったからです」


さも何でもないことのように、さらっと言い放った


「それに、あなたを護衛の任務から解いても、必ずまた何かを仕掛けてくると思ったんです。…違いますか?」


少し後ろを歩く元就へ振り返りながら聞いてみた


「へェ…よく分かってるじゃねェか。だが、お前に毛利元就の有益な情報を簡単に掴ませる思うか?」


「…じゃあ、私と交渉しませんか?」


閃いたとでも言うような顔で元就を見上げた


「は?」


「今回のは私からあなたへの"貸し"です。一つ貸しが出来たので、一つ情報を下さい」


期待して返答を待つ未来に吹き出してしまう


「はははっ。全く、能天気なのもここまでくると笑えるな。俺がその提案に頷くと思ってるのか?」


「…ですよね、残念。ダメ元で言ってみただけなので、気にしないで下さい。あ、貸しだなんて思ってないですから」


えへへと、あっさり引き下がった未来に元就は拍子抜けした


未来は気にする様子もなく、足取り軽く城下の道を進んでいく


自分の利益に何一つならない


ここまでくると能天気というより、ただのうつけか…


元就にしてみれば未来の考えていることなど、予測不可能で自然と声に出していた


「お前、薄気味悪いな」


「……真顔で言うの、なんか本当っぽくて酷くないですか?」


「事実だろ」


「もう!違いますよ!」


キャンキャン吠える未来を追い越し、元就は先に歩いて行った


その横顔は何故か笑顔に見えた


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