第11章 拒絶
「えーっと…機会があれば、また連れて行ってください」
隣にいる元就と秀吉に笑顔を向け答えた
「未来…?」
「そんな目に遭ってもまだ懲りないか」
秀吉はぽかんと未来を見ているが、正面でニヤリとする信長を、未来は背筋を伸ばし真っ直ぐ見つめた
「一度攫われたくらいで怖がるだけなのは嫌です。それに今度こそは…、毛利元就の有益な情報と共に貿易の方も合わせて、信長様に良い報告が出来るよう努めます」
未来は精一杯強がった
元就が側にいる時に弱音を晒したくなかったからだ
(正直怖くて堪らなかったけど、この人にそれを知られるのは釈だ…)
「なるほど。その意気だ、未来。それでこそ、俺の女にふさわしい」
「信長様…誤解されるような言い方はやめて下さい…」
(そんな言い方するから寵姫とか噂がたつんだよ…)
「事実であろう。貴様は俺のものだ。秀吉、松寿丸、未来の言った通り、処遇は決まった。二度はない、肝に命じておけ」
「「はっ」」
二人の揃った声が天守に響いた