第9章 再会
(自分の不注意なのに…、二人を騙すみたいで心苦しい…)
「恐ろしい目に合わせてしまって…、本当に申し訳ございません、未来様…っ」
俯きながら三成が謝罪を口にする
「そんな…、お二人とも気にしないで下さい。私なら大丈夫ですから。それに、また二人に会うことができて嬉しいです」
話を逸らそうと取り繕ったが、二人に会えて嬉しいのは事実で自然と笑顔になる
元就に攫われている間、ずっと気が張っていたから気持ちがだいぶ楽になるのを感じている
「守ってやれなくてすまなかったな…、未来。今日まで疲れただろう。今夜一晩ここに泊まって、明朝安土へ戻る予定だ。ゆっくり休ませてやれないが、安土に戻るまでは我慢してくれ…」
「分かりました。ふふ、大丈夫ですよ。私も早く安土に戻りたいです」
いつものように労ってくれる秀吉の言葉に、離れていたのはたった数日のことなのに懐かしく思ってしまう
「一人で部屋にいるのが不安なら、俺と同じ部屋でもいいんだぞ?」
「ふふ、過保護すぎ。大丈夫ですよ。それに隣のお部屋なんですよね?それなら安心です」
「過保護じゃない、このくらいは当然だろ。まあ分かった、じゃあ今日はゆっくり休むんだぞ?」