第7章 病
湯上りで上気する身体
濡れた髪から時折落ちる水滴
適当に浴衣を羽織り、部屋に繋がる戸を開けると未来が褥の上に座り、眠い目を擦っていた
「あ…」
戸の開く音がした方へ振り向く未来と目が合った
「なんだ、起きたのか?」
眠そうにしていた未来だったが、元就の姿を見た途端、あからさまに視線を逸らした
「あ?」
元就へ背中を向ける未来の行動が不可解で、回り込み未来の前でしゃがみ込むと、未来はギョッとして両手で顔を隠した
「…お前、なにやってんだ?」
「ちょ…っ、なんて格好してるんですか…っ」
そう言われて元就は自分の姿を確認する為、自身の身体へ視線を移すと、胸元がはだけていてお腹まで浴衣から剥き出しになっていた
「これくらいでいちいち騒ぐな。…それともなにか、やっぱり俺に何か期待してるから、いちいちそんな過敏に反応するのか?」
「違います…っ‼︎絶対絶対違います…っ‼︎」
言い返す未来は元就へまた背を向けて、褥に潜り込んでいった
「くくく…っ」
元就は笑いを堪えながら、未来のいる部屋を後にした
「余計なこと考えてねェで、さっさと寝ろ」