• テキストサイズ

《イケメン戦国》散りゆく惡の華 ー毛利元就ー

第7章 病





襖を後手に閉めて、ずるずるとその場に座り込む元就


「はあ…っ、はあ…っ」


ゾワゾワと全身に虫唾が走る気持ち悪さに必死で耐える


手袋越しに少し温もりが触れただけなのに、こめかみを汗がつたう


(クソ…ッ)


ドクンドクンと脈打つ鼓動が痛い


(早く鎮まれ…っ)


日中の茶屋でも、未来の帯へ手を回すのは苦痛だった


手袋越しで、さらに人の温もりが伝わりにくい帯ですら、背中を嫌な汗が流れていた


宿に未来を残し、元就一人で外へ出たのも吐き気を紛らわす為だった


幼少の頃からこの厄介な体質と付き合ってきたが、今回ばかりは酷い


「はは…、奴隷相手に滑稽だな…」


自嘲気味に笑う元就の声は乾いていた


/ 125ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp