第7章 病
ーーーー
「………んっ」
目を覚ますと見慣れない天井が広がっている
「うう…、痛…っ」
頭と手首から強烈な痛みが走る
「やっと気がついたか」
少し離れたところから聞き覚えのある声がする
「……あれ、私…」
「お前、外でぶっ倒れてたぞ」
その声は元就だった
未来の方を見ずに、露天風呂へ繋がる戸を開けっぱなしにしているそこから、燻らす葉巻の煙を外へ逃しながら空を見上げている
「倒れてた…?」
まだぼんやりとする思考と痛みで、なかなか思い出すことができなかった
褥で寝ている未来はなにがなんだか、自分の状況が全く理解できなかった
「あ……っ」
露天風呂でのぼせてそこからの記憶が途切れていることを思い出した
そして未来はハッとして、掛け布団の中にある自分の身体を見て、一気に血の気がひいて行くのがわかった
見に覚えのない浴衣を着せられていた