第6章 許嫁
少し歩いたところに、趣のある綺麗な宿屋が建っていた
「よう。今夜も世話になるぜ」
暖簾を潜ると元就はこの宿屋の店主へ声をかける
店主との会話で、この宿屋を贔屓にしていることが分かる
「堺に来る時はここに世話になってんだ」
「そうなんですね…。初めまして。今夜はお世話になります」
未来が宿屋の店主へ挨拶をすると、店主は笑顔で応えてくれた
「おやおや、可愛らしい方ですね」
「俺の許嫁で未来だ。今夜はこいつも世話になるぜ」
「………っ⁉︎」
(まだ許嫁の振りをするの…っ⁉︎)
一体なんのために…
疑問が浮かぶ未来へその店主は嬉しそうに笑顔を向ける
「これはこれは!お会いできて光栄でございます。今後とも何卒ご贔屓に」
「…こちらこそ、よろしくお願いします…」