第6章 許嫁
押し問答をする二人に、誰かが声をかけてきた
声のした方へ未来が振り向くと、ブロンドの髪に青い瞳をした女の子が通りから駆け寄ってくる
その後ろから同じ髪と瞳の色をした背の高い男性がゆっくり歩いてくる
笑顔の可愛いその女の子は、元就に近づき益々笑顔が溢れだす
「これはこれはキャサリン様、それにウエストミンスター伯爵。こんなところでお会いできるとは思いもしませんでした」
さっきまで未来に見せていた意地悪な笑顔ではなく、いかにも紳士を装う松寿丸の仮面を被った元就はゆっくりと立ち上がり、キャサリンと呼ぶ女の子へ目を疑うような優しい笑顔を見せる
未来が見ても分かるほどあからさまで、その変わり身の早さにある意味脱帽する
「本当ね!今日ショウに会えるなんて嬉しいわ!」
「やあ、ショウ。こんなところで会うとは偶然だな」
ウエストミンスター伯爵と呼ばれたのは、すらっとした素敵な好青年だった
(わあ、目を引く人たちだなぁ…。現代の海外俳優も顔負け。それに海外の人たちなのに日本語がすごく上手だな)
「こんなところで何してたの?」
キラキラとした綺麗な青い瞳が元就を捉えて離さなかったが、隣で座っている未来に気づいた
元就は横目で未来を見て口を開く
「ああ、ちょっと彼女とお茶を…。せっかくですので紹介させて下さい。彼女は私の許嫁で未来です」
未来も立ち上がり、伯爵とキャサリンへ軽く頭を下げる
「初めまして…、未来と申します」
「イイナズケ…?」
知らない単語にキャサリンは首を傾げる
「将来を誓った俺の愛する者です」
「え…っ。ショウの……っ⁉︎」