第16章 垣間見える優しさ
「こんなにたくさん…」
南蛮の人が蓋を開けた木箱の中には、たくさんの拳銃が入っていた
「ああ?そんな珍しいもんでもねェだろ」
(いやいや、こっちは平和に暮らしてきたただの現代人なんです…。やっぱり見慣れないな…)
鉛のような鉄のような匂いで気分が悪くなってきた未来は、その場から少し離れようとする
「おい、離れんじゃねェって言ってんだろうが」
「ちょっと気分悪いんで、そこで海でも眺めてます…。ごゆっくりどうぞ…」
「………」
「姫様にとってはなかなか慣れない物ですから。それにこの独特な匂いにも当てられてしまったのでしょう」
後ろに控えていた広良が未来を心配するように、元就に助言する
思いの外、顔色が悪かった未来を目で追ってしまう元就
「オ兄サン、乙女心ワカッテナイネ。乙女、コンナ物キライ。コレ、スキヨ」
「あ?」