第15章 気づき始める気持ち
日が昇った頃、未来と元就は安土城へ戻った
2人が城に戻ると秀吉にすぐ捕まり、外泊のことで心配した旨を伝えられるとその後は長々とお説教をされた
そして、その夜は未来が無事安土に戻ってきたことと、それに貢献した元就への宴が開かれた
「あの…もしかしなくても、機嫌良くないですか?」
大広間で隣に座る元就にだけ聞こえるように、未来は囁いた
「何か仰いましたか?」
「…いえ、なんでもないです…」
松寿丸の仮面をしっかり被ってはいるが、なんだか怒ったような雰囲気が未来は気にかかっていた
だが、本当に機嫌が悪そうだと思い、未来は深く詮索しなかった
未来は気を紛らわせるため、大広間に所狭しと用意された政宗の料理に口をつけた
政宗が腕によりをかけた料理はどれも絶品だった
「んーー!やっぱり政宗様のお料理は美味しい!安土に帰ってこれて良かったあ」
酒を手にちょうど大広間へ戻ってきた政宗は、未来の近くへ寄ってきた
「お前がさらわれたと聞いた時は、居ても立っても居られなかったが、無事戻ってきて良かった」
未来の頭をぽんぽん政宗が撫でる
「政宗様…」
「お前は呑気でお人好しだからな。気をつけろよォ?」
「ふふ、気をつけます」
政宗は未来の笑顔を見届けると、他の武将のところへ行った