第15章 気づき始める気持ち
「おい、戻ったぞ」
スーーー
静かに襖を引き、部屋を覗くと未来は褥の中に入っていた
「ふっ…。相変わらず呑気なやつだな」
眠る未来の隣に腰を下ろし、その寝顔を見つめる元就
横向きに寝ている未来の頬にかかる髪を元就が指先で払うと、そのくすぐったさで未来は目を覚ました
「ん…、すみません、いつの間にか寝ちゃって…」
「あとで起こしてやる。それまでまだ寝てろ」
「…はい」
元就の掌が優しく未来の頭を撫でるから、それが気持ち良くてつい甘えてしまう
(幸せだな…)
微睡みの中で、元就の温もりを感じながら未来は幸せな顔で眠りについた