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姉御審神者の本丸

第1章 ブラック本丸へご招待


「ふん。派手な顔、その着物。
どこぞのラウンジの女かしらねぇがな。
飲み屋の女風情が、審神者だと?
政府も落ちたな。」

『まぁ、人手不足みたいやけどなー。
落ちたんはアンタやねんな、それが。』

「なんだと?たかだか小娘ごときに審神者なんてつとまるわけねぇだろ!」

ピクリと眉を上げたと思えば、今度は怒鳴られた。
残念ながら怖いという感情はどこかにすっぽ抜けてしまっている。

『ってか、飲み屋ちゃうし。占い師やし。
我が金で洒落もん買うて何が悪いねん?
別にアンタから貰った金で買うとるわけちゃうんやから、ほっといてくれんかな?』

そう言いながら、処罰の対象理由が書いてある紙を広げ読み上げる。

『えーっと。度重なる刀剣破壊。
連れ込んだ女人を刀剣男士を使い夜枷を無理やり強いる。
などなど。
クソやなー。』

「審神者様の言うことは絶対だ!
ここまで、こいつらのレベルを上げ、面倒を見てやったんだ!多少のことでガタガタいうな!」

騒ぎを聞きつけたのか、
刀剣男士たちが殺気立って集まってくる。
はぁー...深くため息をつき、
なんとか抑えようとしたけど、無理だわこれ。
顔をずいっと近づけ、

『面倒?ここまでのことしといて、神様の怒り買うて、こんなことさせとるん、
どこのどいつやねん?
たかだか小娘ごときにここまで言われとるん、
どこのどいつやねん?
審神者ってのはお遊びちゃうねん。
刀剣男士はあんたのおもちゃちゃうねん。
あんた、プライドないんか?
おい、おっさん。
ビビり倒して、腰抜かしといて
どの口が審神者語っとんねん?
これ以上、面汚すなや。』

思わず髪を掴んで引っ張ってしまった。
そのタイミングで政府捕縛部隊が到着し、
男の身柄を拘束する。

『遅いわー。はよ、その汚い面どっかやってー。
そのおっさん、自分の尻拭いもまともに出来んらしいから、オムツでも履かしときー。』

敬礼と共に去っていった捕縛部隊にヒラヒラと手を振る。

ハッとして、途端に顔の血液がサーと下がった気がした。
錆びた鉄を捻るようにゆっくりと
刀剣男士たちを見る。


ポカン。


男前の呆けた顔は私がさせてしまっているという事は、
嫌でも分かった。
急に恥ずかしくなり、近くにいた大倶利伽羅さんの後ろに隠れる。

私が忘れてきた感情は、
女性らしさというのも含まれているらしい。
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