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姉御審神者の本丸

第1章 ブラック本丸へご招待


『私で務まる範囲ならやりましょう。その代わり、ある程度の条件は飲んでください。』

男は輝いた目でこちらを見た。

「できる限りの事は致します!どのような条件なのでしょうか!」

『1、こっちと連絡を取れるようにしてほしい。
2、週に2回は行き来できるようにしてほしい。
3、私の家と本丸を繋げられるなら繋げて欲しい。
4、週に2回の行き来の際、自由行動を認めて欲しい。
5、ブラック本丸を担当するにあたって、十分な給金を当てて欲しい。
とりあえずはこんな感じです。』

「1と2はわかりますが、
3から5の理由を聞いても?5はもちろん相応の額をお支払いするつもりではいましたが、
あまりお金に執着しなさそうだったので、意外に思いまして。」

『3は、寝具や身の回りの物が変わると寝れんし、
生活しにくいですね。旅行は好きやけど、枕変わると寝れんみたいなタイプですね。
あと、荷物運ぶんダルい。
4は外出せんと、キノコ生えそうなる。気分転換はしたい。歴史変えるようなことはしませんから御安心を。
5は私のことより、刀剣男士のことが優先やね。
心の傷も深いと思うし、ちゃんと食べて、
それなりに寝心地のいい寝具で寝て欲しいし、
欲しいもんあるなら、なるべく買ってあげたいと思う。まぁ、もちろん限度はあるけどね。
というのが理由ですけど、どうでしょうか?』

「なるほど。面白い人だ。
個人的にも注目してしまう人柄ですね。
わかりました。そのようにしましょう。」

『あっさり決めて大丈夫なんですか?』

「藁にもすがる思い。と言えばなんとなくは、
お分かりになりますでしょうか?」

苦笑いでそう答える彼に、
こちらも苦笑いで頷いた。

「明日、お迎えに上がります。
急いで契約書を作成せねばなりませんので、
これでお暇させて頂きますが、
1つ、注意して頂きたいことがあります。」

『注意?』

「はい。本来、刀剣男士の手入れをする際、
資材が必要になります。
ですがこのケースの場合、資材は役には経ちません。」

じゃぁ、どうすれば?という視線に答えるように、

「絶対的、愛情をもっての抱擁をしてください。」

『は?』

「貴女の霊力には癒しの力があります。何卒、よろしくお願いいたします。では。」

スっと消えて居なくなった男に、
少しばかり嫌味のひとつでも零したくなった。
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