第2章 ブラック本丸ならぬホワイト本丸
『ちょっと失礼』
そう言いながら、そこそこ大きい冷蔵庫を開ける。
食材はかなり揃っているがほとんど前の審神者のものだろう。1番狭いスペースに追いやられている、
大量のもやしや、切り詰めて少なく分けて冷凍されているうどんなど、言われなくても分かる。
刀剣男士のものだ。
燭台切「あ、主ちゃん、もう来てたんだね!
ん?何してるの?」
『いや、どこまでもクソみたいな審神者やったんやなーと思い知らされてるところ。』
冷蔵庫からポンポンと食材を出し、
前の審神者の分を空にしてやった。
『これ、ぜーんぶ使お!みんなで食べようや!』
これはローストビーフにしよう!
ほんで、これはパエリアとかにしようか。
と、洋食でパーティーっぽくしよう!と
2人を見ると、
薄らと涙を浮かべていた。
『えー!なになに!?どうしたん?!洋食あかんかった!?』
歌仙「違うよ...君のことを疑ってしまってごめんね。
こんなに素敵な主のことを、疑心の目で見てしまって恥ずかく思うよ。僕は歌仙兼定。歌仙と呼んでくれたまえ。」
燭台切「僕達はまともな扱いを受けたことがないから、主ちゃんの行動一つ一つが凄く嬉しいんだよ。」
『あー。焦ったー。
心配せんで!嫌でも幸せにしたるわ!
胃袋掴んだるからな!覚悟しいやー!』
今回は私が作るから、手伝いだけしてほしいとだけ伝え、
調理に取り掛かる。
後から来た伽羅ちゃんにも野菜の皮むきなどの下準備を手伝ってもらう。
歌仙「手際がいいね。
効率よく出来ているし、 とても雅だ。」
燭台切「主ちゃん、この大量の豚肉のブロックはどうしたらいいかな?」
『それは、3分の1ずつ分けてもらおうかなー。
何キロあるんこれ。6キロはえぐいなー。
2キロずつ分けてほしい。あとジップロックちょうだい!』
出す料理と、保存食を同時に作るのは割と得意だ。
放置してたらできる料理が複数あれば
ぐっと楽になる。
ローストビーフ、パエリアなどの洋食
油淋鶏、麻婆豆腐などの中華
オーブンに入れ放ったらかす物や、中華などの早くできるもの。
ぶち込んで温めるだけの汁物だから
他に手を回すことが出来る。
『伽羅ちゃん、2キロの豚肉に大さじ4杯の塩をゴリゴリ揉みこんで、キッチンペーパーで包んでほしい。で、ジップロックして冷蔵庫にいれておいてねー。』