第2章 ブラック本丸ならぬホワイト本丸
賛否両論。それが今のところの結果だ。
思ったより事が早く進んだような気もする。
あの後は、
抱擁するという形で手入れを何度も何度もした。
最初はみんな驚いていた様だけれど、
愛されたい願望がとても強い加州清光や大和守安定あたりは傷が癒えているのにも関わらず
何周も回ってきた。
可愛いからいいけど、それなりに体が重くなり、体力が削られていることがわかった。
そこからは無心だったが、
大倶利伽羅は始終、ムッとした表情をしていた。
そこからは、こんのすけとやらが現れて、
まず可愛さのあまり、手始めに撫でくりまわし、
ボタン1つで本丸が綺麗になった。
荒れた畑はさら地に戻っただけだったので、
最初から耕す必要がある。
とりあえず休憩と、縁側の方でほっと一息をつく。
『あー。疲れたなー。頭痛いわー。』
これまでノンストップで動いていた分、
一服すらしていなかった。
ニコチンを摂取していない分、頭が痛くなるのは当然かと
袖からタバコとライター、ポケット灰皿を取りだし、
タバコを加え火をつける。
久しぶりの有害の煙を吸い込み、クラっとする。
肺まで届いた時点で、ふぅーと吐き出す。
足音が近づき、
隣に座る誰かの気配がし、隣に目をやる。
『あ、大倶利伽羅さん?』
大倶利伽羅「一人でいると、刺されるぞ。」
『確かに。』
まだ疑念を持った刀剣男士もいる。
警戒心を持たなきゃいけないのもわかるが、
『休憩したくて。』
大倶利伽羅「休憩する時は、俺を呼べ。あんたに何かあると困る。」
『でも、煙たくない?』
大倶利伽羅「あぁ。」
『気になってたんやけどさ、めっちゃ懐いてくれてるよな。なんで?』
大倶利伽羅「言ったはずだ。好きだと。」
ストレートに改めて言われると、
柄にもなく照れてしまう。
大倶利伽羅「勘違いするなよ。」
あ、審神者としてってことなのかなー。と思っていると、
大倶利伽羅さんは続けて何かを言おうとしていたが、
走ってくる足音で口を噤んだ。
燭台切「あ!いたいた!主ちゃんの歓迎会をしたいんだけど、嫌いな食べ物はない?
って、伽羅ちゃん..??」
驚いたように目を見開いた燭台切さんにうっとおしそうに舌打ちをし、そっぽ向いた。
『あー...えっと、歓迎会やったっけ?
いいんですか?まだ、疑っとる人もおるし、私おったら疲れません?』