第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
「おはよう、セベク」
「〜っ!!!おはよう!!!人間!!!!」
「ひぃ!声が大きすぎるよ!?」
前言撤回。
セベクは完全にいつも通りのセベクではなかった。
私を見るなり動揺し、ガタっと椅子から大きな物音をたてる。
なんだか、少しだけ悲しく感じてしまった。
セベクの左隣が空いていたので何も考えず席に着いたが、セベクはいつもみたいに私に話しかけてこない。
と言ってもこちらからなにを話せばいいか分からず。
完全に距離置かれちゃったな…。
それはそうだ、ここは男子校。女子なんているはずもない学校なのに、いきなりクラスメイトに私は女です。なんて言われたら動揺するだろう。
仕方ないことなのか、と思ったがやっぱりなんとなく寂しく感じるのでお昼休みにでもエースとデュースに相談しようと思った。
「セベクの奴いつにも増して変なんだゾ…」
「あはは…そうだね…」