第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
倒れこんだ私を起こして一番最初に声をかけてくれたのはまさかのセベクだった。もちろんセベクの後から先生やらが駆けつけてきた。
「えっと、う、腕…??」
「腕か!!真っ青じゃないか!!!」
顔を庇ったため犠牲になった腕は、青くなっていた。
なんだったら箒がぶつかった衝撃で切り傷も何箇所か出来てしまっていた。
「保健室に行くぞ!」
セベクは先生に僕が連れて行きますと断言した。
や、優しい…セベクのくせに。と思ったのは秘密である。
「セベクありがとう、でも1人で行けるよ…って!持ちっ!?んえ!?ちょっと、え!?」
セベクは私を担ぎ出した。おんぶ、とかではなく肩に乗っける形でがっしりと。
「お前ちゃんと食べてるのか!?男のくせにヒョロすぎるぞ!」
いや、私女なんですけどね!?と全力で反抗したかったのだが、そんな余裕もなくセベクは私を連れて保健室へ向かった。
正直落ちるのが怖すぎてセベクにぎゅっと捕まったのだが、あまりの体のたくましさに驚いた。
「ひぃ…、体強い…」