第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
「グリム頑張って〜」
「オレ様、この程度の魔法余裕だ!!」
グリムと離れ、先生の横にポツンと立つ。
私も魔法が使えたらみんなと出来るんだけどなあ、なんて思うけどまあこれもこれでありかなとも思う。
先生が教えるために生徒の方へ歩いていった。ボーッと空を飛ぶ人たちを眺めていると何やら嫌な予感が。
「監督生!!!!危ない!!!!」
誰かの叫び声が聞こえ、慌てて振り返ると、箒がくるくると回りながら私の方へ飛んできた。
きっと誰かが上手くコントロール出来ず手放してしまったんだろう。
あ、やばい。ぶつかる…!と思った時にはもう遅く、咄嗟に顔を腕で守った。が、当たり前だかそれだと腕にはぶつかるわけで。
「〜っ!!!!」
ド派手に箒にぶっ飛ばされた。
「人間!!!!!大丈夫か!!!!!」
「いった〜…、わあ、びっくり」
「なんだそのアホみたいな返事!!!どこぶつけた!!」