第1章 *声のボリュームは抑え気味に。【セベク・ジグボルト】
「はあ?まーだセベクのやつユウのこと女だって気付いてないのかよ!?あいつもバカだね〜!」
「ユウはどう見ても女なのにな」
「デュースだって言われるまで気付いてなかっただろ」
「〜うるさいぞ!」
お昼休みはエースとデュースと合流するのがいつもの日課である。2人は私が女ってことを知っているけど、というか関わるほとんどの人は知っているのだけど何故かセベクは気付いてくれない。
「…はあ、エースとデュースと同じクラスが良かったなあ」
「なに〜?俺らのこと大好きじゃん」
「訂正。デュースと同じクラスがよかった」
「なんだとお前!!!」
「僕もユウと同じクラスが良かった」
「デュース〜」
なんて他愛無い話をしているとすぐにお昼休みは終わってしまう。
クラスの違う2人と別れて、私は次の授業に向かうことにした。
次は…あ、飛行術だ。
飛行術は魔法の使えない私には出来ないものなので、先生のお手伝いに回ることが多い。
グリムの魔法が安定したら私も箒の後ろに乗らしてもらおう、なんて思ってるけど、だいぶ怖い。